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2022/9/21 時点 タイの洪水状況について

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21/9/2022 大西 宏佑 Manager
目次

ロジャナ工業団地2011年から11年経過・・現在の状況について

2011年10月にロジャナ工業団地アユタヤは大洪水に見舞われてから11年が経過しようとしております。ロジャナ工業団地は入居企業様、タイ政府、日本政府、JICA、ゼネコン、地元住民など数多くのご支援、ご協力をいただき、温暖化による気候変動もある中、変わらず洪水対策に取り組んでまいりました。皆様のご支援のお陰で現在、ロジャナアユタヤは販売用地の97%以上が販売済となっており、新たにフェーズ10を開発中でございます。これは少しづつではございますが信用、信頼を取り戻せてきたのではないかと考えております。

昨今の大雨の影響で洪水対策や現在の降雨の状況についてお問い合わせをたくさんいただいております。すべての皆様へご連絡が行き届いておらず申し訳ございません。改めて現在の状況やロジャナの洪水対策についてHP上ではございますがご説明させていただければ幸甚です。

当時を知る方も少なくなってきている状況ですので、ご説明が必要であればお気軽にご連絡下さい。

2011年10月の洪水原因

Teams社より提供

ラニーニョ現象の影響で累積雨量が例年より多く、6月~10月にかけて台風が5つ上陸しました。不運にも9月28日、10月1日、10月5日と3つの台風が重なり、プミポンダム、シリキットダムが満水となってしまったことが原因の一つでございます。以下資料通り2011年は、過去30年でチャオプラヤー川への流入雨量が最も多い年となりました。

因みに今年は6月から現在まで台風は一度もきておりません。

Annual Rainfalls in Chao Phraya River

もう一つの要因として、タイ政府は2002年以降エルニーニョ現象による渇水問題に苦しみました。稲作が十分にできない状況が続いていた為、2010年、2011年は意図的にダムの貯水量を増やしておりました。このような背景もあり、当時の農林大臣はEGAT(電力公社:ダム管理)に対し、2011年9月5日に農民が稲の収穫ができるよう、放水量を毎秒2,090㎥に抑えるよう灌漑局に指示をしており、同年9月8日にはアユタヤで洪水を起こさないよう、要は放水量を増やさないように灌漑局職員に指示をだしています。

例年より降雨量が多くキャパシティ間近になったダムに対して、放水制限を行ったことに加え、タイミング悪く台風が重なり、ダムが耐えきれない状況になってしまったことが大洪水の原因といえます。

勿論、放水抑制を指示した理由としては、同年7月、8月に上流のヨム河、ナーン河流域ですでに洪水が発生しており、シリキットダムを放流できなかった、またタイにはモンキーチークと呼ばれる行政主導の「浸水を許容するエリア」が治水対策として設けられておりますが、そのエリアに住む浸水を嫌う住民からの反対もあり計画通りにモンキーチークを活用できなかったという背景もあります。

2022年9月18日の状況

22年9月18日時点の累積降水量です。アユタヤが洪水の被害を受ける可能性がある箇所は、Upper Chaopraya Basin、Upper Nan Basin、Upper Pasak Basin、Upper Ping Basinの降雨量がポイントとなります。Lower Chaopraya Basinはダムを経由せず河川から海へ流れます。Lower Chaopraya Basinを除いた累積雨量は2011年9月18日までで3382.6mm、2022年は2971.2mm、対2011年比で▲13%となっております。一方、11年対比でLower Chaopraya Basinは降雨量が11%多く、バンコクの日本人が多く住むエリア(アソーク、プロンポン、トンロー)付近でも洪水が散見されることから、11年のような大洪水になるのではとご心配される方が増えております。ロジャナアユタヤが洪水の影響を受けるのは上述の通り、タイ北部エリアでの降雨量が非常に重要なポイントとなる為、同エリアのダムの貯水率を確認する必要があります。

主要4ダムの貯水量(2022年9月20日)

参照元:王立灌漑局データ

主要4ダムの9月20日時点のデータです。赤色の線は2011年の水位、緑色の線は2022年現在の水位状況です。11年比でプミポンダムは70%、シリキットダムは64%、クェーノーイダムは75%、パサックダムは43%という状況になります。上述の状況から、現時点では洪水になる可能性が低く、11年の教訓を経て、EGATが随時ダムを放水し水量を調整していることが伺えます。

勿論、今後の降雨量と台風の状況が非常に重要となってきますので、これらの情報を随時更新しWEB上へアップデートしておりますので、適宜ご確認いただけるようにしております。(HP上部 Water Level)

主要ダムのロケーション

ロジャナの洪水対策について

2011年以降ロジャナアユタヤ工業団地付近でも洪水対策を進めております。タイ北部の主要ダムが上述の影響により急遽放水量を増やしたため、ロジャナアユタヤの西側にある河川(チャオプラヤー川とパサック川)が増水し、当時1つしかなかった水門へ押し寄せました。

既設の水門Khlong Chang Sluise Gateだけでは耐え切れなくなってしまい、ロジャナアユタヤ工業団地が洪水被害を受けました。

対策としてJICAや専門家の意見の元、日本政府のODA(政府開発援助)により2015年に水門を2つ建設しております。MSL=7.5mの水門がロジャナアユタヤ工業団地へ流入を防ぎます。

また周囲73km以上に亘りESL=6.05mの防水提が流入を防ぎます。2011年の最高到達点はMSL=5.31mだったので、2011年クラスの雨量が流れてきても対応可能な対策を行っております。詳しくは以下YouTubeをご確認ください。

ではロジャナ団地内に溜まってしまった水はどうなるのか?

ロジャナ工業団地内に溜まった水は15カ所のポンプがある一定の水位を超えると自動的に団地外運河に排水されるようになっております。洪水前はキャパシティが234,900㎥/hourでしたが、現在は322,920㎥の能力がございます。

排出ポンプ

陸の孤島になってしまわないか?

2011年クラスの洪水がくることも想定し、バンコクや主要インフラまでアクセス可能な嵩上げ工事を実施しています。

ロジャナの各周辺道路から1号線を経由し9号線までアクセス可能です。9号線はバンコクや主要インフラへアクセス可能です。9号線も日本の政府援助ODAにより嵩上げ工事が完工済で洪水時も南北の往来が可能です。

最後に

2022年9月21日現在の状況では11年のような大洪水が起こる可能性は低いと考えておりますが、昨今の気候変動により予測不能ですので注視が必要です。ロジャナ工業団地としては最先端の情報をWEBにアップしておりますので随時ご確認いただき、ご質問があれば小職までご連絡ください。

また専門のコンサルタントTEAMS社(SET上場企業)へ毎年洪水レポートを依頼しており、無料で開示させていただいております。こちらは毎週火曜に更新されますが、タイトップクラスのデータベースを活用した水位予測を提供させていただいておりますので、是非ご確認ください。

また、各入居企業様におかれましても今一度BCP対策をご確認いただき、有事への備えをお願いいたします。

お問い合わせはこちら!

是非一度お気軽にご連絡ください。

ロジャナ工業団地は日系企業様の更なる前進、発展の為にご協力させていただきます。

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